Re4: 『予防接種は受けてください』へのコメント
タマゴ/他
2005/2/28
くじらさんこんにちはタマゴです。

予防接種委員会にも積極的に出席されてお勉強なさっている姿勢に深く感銘いたしました。予防接種反対派の方にこそ医療サイドは積極的に情報提供をしていくべきだと感じています。私のようなタマゴが無免許運転であれこれ発言するのはなんとなく気がとがめますが、たまたま、はしかで重篤な状態になったお子さんを見る機会があったので、少し発言させてください。

> けれど、子どもの病気に対する親の考え方の意識を高めれば、予防接種ですべての感染症を防げるわけではない、共存していくという考えがあってもいいのではないか。

> 予防接種に対して疑問を持つ親が3割くらいいれば、「何で予防接種しない子がいるのだろう」とは思わないのだろうかと思いました。麻疹に罹ったとして、合併症やSSPEなどは心配ではありますが、人間の一生を思うと大人で罹るより、子どものうちに罹った方がいい病気はやっぱり罹ってほしい。


病気との共存は、大原則であることに異論はありません。しかし例外はいくつかあります。はしかはやはり共存できない感染症ではないでしょうか。小児期に感染してもやはりはしかは問題だと思います。

> 風疹の妊娠の先天性風疹症候群(CRS)が問題だとすると、本来なら中学生くらいでするのが望ましい。それなのに子どもの意志が出てくる中学生くらいになると自分の意志で受けたくない子もでてくるので、接種率が下がってしまう。だから就学前にしたほうがいいと話し合っているのを聞くと、ひとりの人間の一生を考えて検討しているように思えないのです。やはり説明が足りないからではないのかと思う。

> ギリシャでは予防接種を導入してかえって、成人の罹患率が上昇していたりする。子どものうちに罹って置いた方がいいとあらためて思いました。


風疹の場合、予防接種率が50%前後だと、小児集団での流行がある程度抑制され、周期的に大流行してしまい、かえって先天性風疹症候群発症には悪い影響がでてしまいます。風疹は集団を基準とした対策が必要となります。しかしはしかに関しては個人レベルでの認識が必要なのではないでしょうか。小児科の病棟実習に回ったとき、5才はしかの女の子を担当しました。はしかの肺炎がひどく、呼吸困難が進行し生命の危険にまでいたりました。肺炎だけではなく、喉頭炎もひどく、浮腫で腫れ上がり呼吸困難がますますひどくなりました。こんな状態で気管内挿管すれば、喉頭、および気管軟骨が破壊され喉頭狭窄を起こすので、気管内挿管はしたくないとのことでぎりぎりまでいろいろな治療をしましたが反応なく、ついに気管内挿管に踏み切りました。その後予想どおり喉頭狭窄が進行し、ついに気管切開にまでいたりました。その後数週間で肺炎は治まりましたが気管狭窄はさらに進行し、発声すらおぼつかない状態になりました。今後も声を獲得するのは難しいだろうと耳鼻科ではコメントしています。父親は漢方治療の信奉者で、はしかの予防接種は漢方をやっているから大丈夫として受けていません。発病当初も漢方で大丈夫だと言って病院にはつれていきたがらなかったと、母親は話しているそうです。現在はしかそのものに対する治療法はなく、ただひたすら自然治癒を待つしかありません。予防接種接種はその自然治癒力を高める手段です。今回はそれをしていれば防げた合併症であり、残念に思います。


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