Re2: インフルエンザって?
Aki
2005/3/2
内科医です。

>インフルエンザ予防接種については、効果が「ゼロ」ではありませんから、どうしてもインフルエンザ発症のリスクを低くしたいときは、接種すればいいと思います。例えば、受験を控えているとか、他に病気を抱えているとか。ただし、あくまで臨時的な対処法であって、決して健康な人が毎年行う恒例行事ではないと思っています。


非常に貴重な説明であったと思います。大筋は正しいのですが、インフルエンザ予防接種が効果が「ゼロ」でないと思っているのであれば、健康な方ほど副反応が少ないし耐えられると思いますので、是非受けていただき、自分の発症率を下げるもしくは症状を少しでも軽くして、周りの方を守ってあげてください。また子供より大人の方が十分効くと思いますので御自分はなるべく接種してください。自分の子供だけ守ろうという発想では集団感染は残念ながら防御できません。今のワクチンが十分な効果が出ないということが残念ですが、ワクチンを打たなくなってからより注意を払っていると思いますので、その注意のレベルを維持したままワクチンを打っておくことを御勧めしたいです(どっちかというと大人に打って欲しいんですけど)。こういう言い方は嫌がられるかもしれませんが、ワクチンをそこまで嫌がらなければもっとよいワクチンが開発される可能性があります。もちろんそれでも副作用はあると思いますが。薬入れずに針だけ刺したって副反応(というべきかどうか)は出るわけです。

前橋レポートはここでも大きく取り上げられていますが、解説を見るとなんだかすごそう、というイメージを持たれたり、効果がないことがはっきりした、と思うかたもおられたり様々と思いますが、そもそもインフルエンザの診断というのがみなさんが思っている以上に不確かで、前橋レポートもその一番肝腎なところがまったくダメという批判もあったりで、こういう疫学統計には常に限界が付きまとうものなので、絶対的なものではありません(みなさんの要求レベルを考えた場合、失敗した研究ばっかりです)。地域の比較なんかも、インフルエンザに関心を今まで以上に持ったりするだけでも影響がでるので本当に比較が可能かという問題もあるでしょう。しかし質の高いデータというのは、人体実験的要素を含むので、皆さん(人によりますが)が一番嫌うところと思います。解説分もレベルは高いと思いますが、実はツッコミどころも結構ありますし、医療がそんなに絶対的なものでないことはみなさんこの掲示板で御理解いただけていると思います。したがって、なんでも相談できるかかりつけ医とよく相談して、また想定できること(タミフルを処方される可能性があるとか)に関してはある程度方針を決めてから病院にかかるなど、よくよく考えて行動されるとよいと思います。しかしそのための基準はきわめてあいまいで頭が痛いですが、選択枝はそれほど多くないし、予防接種ひとつとっても最悪の事態は受ける/受けないどちらでも起こりうるので、思い切って決めるしかないんですけど。


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