Re3: 小児救急当事者は?
やも/医療
2005/4/6
こんにちは。レスさせていただきますね。
> ただ、あの時の不安にかられて助けや助言を求めたかった心境の時に言われた言葉としては、とてもきつく感じ、とても不信感を覚えました。
わかります。皆そうだと思います。私も自分が怒られると分かっている病院には行きません、(行きたくない)。例えば歯医者さんに「あなたは医者なのに、なんでこんなに歯垢があるんだ!」って怒られたら、何と答えてよいか分かりません。ごめんなさい、仕事と育児で歯を磨く時間がないです、なんて。
だから、私は絶対に患者さんの親を怒らないことにしています。これは私が、私に課している課題ですので、小児科的には合っているかどうかわかりません。怒らないと分かってくれない人もいるだろうし、慢性的な病気(例えば喘息とか糖尿病で思春期を迎えた患者さんなど)でずーっと同じ先生で、言われても聞かない人で、生命を脅かす病気の患者さんには怒らないといけないのかもしれません。
> 今はやもさんの言葉がとても分かるし、理解もそこそこできます。でも、新米ママの頃はとてもそんな余裕がなかったのですね。
私も新米ママです。わが子がベットから落ちたときは、取り乱しまくって、救急に連れ込みました。あっさり帰されました。そんなもんです!えらそうなことは言えません。
> 特に患者側は経験し、勉強しなければ救急外来を使うのか、それとも明日まで待ってもいいのか判断がつきません。病院側の人は毎日同じような事があってうんざりすることもあるかもしれません。
患者さんが病状を理解していないのは当たり前だと思います。そのために専門職がいて、免許までもらっているのです。私だって、自分が専門でない分野、例えば車の調子がおかしかったら、まったく分からないで、不安で、修理工場にかけこみます。なにが車の中で起こっているのか全く分からないでしょう。だから、普通外来でも救急外来でも、本当は「こうこうこうなったら、夜間でも連れてきて。こうこうこういう状況だったらお家で見てていいよ。」ってちゃんと説明責任があるんです、医者には。これをやっていない、やる時間がない、やる気力が尽きた。っていうのが現状かもしれないです。
> 遠い昔のような、「医者は偉いんだ!」という勘違いがなくなり、それぞれに合った、いい関係が持てるお医者さんと出会えたらなあ、と思います。
私個人の意見としては、社会は持ちつ持たれつだと思うのです。その一員として、私も保育園では誰かの母親・父親に自分の子をお世話してもらっているのだから、病院では私が誰かの子をお世話する。だから、安心して預けてもらえるように努力しようと思います。私はお母さんたちが大好きです。本当に尊敬しています、子供のことに一生懸命だから。私なんか、本当に、ひどい母親ですよ。
> あと、質問なのですが、例えば子供が夜8時くらいに耳を痛がりました。間違いなく中耳炎であろうと分かります。けど、とても痛がり、このままでは眠れない、そんな時救急外来に痛み止めを処方してもらいに行くのはどうなんでしょう?
痛いのは、鼓膜の中に膿がたまっていて、鼓膜がパンパンに張っている為だと思われます。切開の適応かと思いますが。。。
基本的には、夜間救急では鼓膜切開はできないです。耳鼻科の先生がいないから。いても、耳鼻科外来はしまっていて、機器が使えないので、できない病院がほとんどかな。それと、子供に処方できる鎮痛剤は決まっていますので、アセトアミノフェンがお家にあるなら、それを使って、なだめて寝かせるしかないでしょう、でも、これが大変なんですよねー。だから、「よし!今日は徹夜でなだめるぞ!」っていうご両親の気持ちが、その一晩の最高の処方かも。
>やっぱり病院側からしてみれば、「そんな痛み明日まで我慢させましょう」という考えなのでしょうか・・・、
そんなことは思いませんよ。ただ、何かしてあげたくても、できないなー、と。
>あと、咳で眠れず、苦しさで泣いたりしている時もやっぱり、次の日にするべきなのでしょうか、咳は以前救急外来に行ってその足で入院になったことがあるので怖いです。微妙で分かりません。
「咳」というのは微妙ですね。咳っていうのは、本当に色々な疾患があります。「熱がなくて、咳だけだったら耳鼻科!」と以前こちらのページで拝見しましたが、これには私は小児科医としては反対です。(母親としては賛成するかもしれませんが。)というのは、夜間の咳の場合は喘息の可能性もあるから。とくに悪い場合には無気肺という状況を合併していると、入院適応だと思います。
私がアドバイスできることは、「呼吸困難」ならば連れて行く、ということでしょうか。ただ、「肩呼吸」とか「ゼーゼー」とかよく言われますが、「発熱しているときは、多少呼吸が上がる」のとは違います。これは、解熱剤をあげて熱を取った状態でしか評価できないとおもいます。「呼吸困難」というのは、例えば、仰向けにすると咳で眠れない、とか、咳が連発して嘔吐する、とか。これが立て抱っこや、うつぶせで眠れるのであれば、寝ている子を起こしてまで来なくてよいです。咳連発の嘔吐も、1,2回ならいいけど、しょっちゅうで、水分摂取困難ならばつれてきたほうが良いでしょう、特に1歳未満の乳児は。
>私は私なりの経験や考えで救急外来を利用したりしなかったりですが、あまりに救急外来の乱用を言われると、「今にも死にそうじゃないと使っちゃいけないの?苦痛をやわらげてあげる目的では利用するのは間違ってるの?」と不安になっています。実際診ないと分からないかもしれませんが、アドバイスお願いします。
実際に診ないと分からないですね、よくある症例を思い浮かべてお話しています。字だけでは伝わらないことがあるのをご了承ください。苦痛を和らげてあげる、つまりは咳なら吸入・痰の吸引、喘息疑えば注射・点滴。熱なら解熱剤。結局のところはできることは限られているわけですよね。
理解していただきたいことは一つ。救急は一期一会。帰した子がどうなったかその医師にはわかりません。乳児は急変することがある。その子のその後が心配なのは医師も一緒、しかし心配な子をすべて入院させることはできない。患者を帰宅させるとき、医師も腹をくくって決断するのです、だから、「今は帰ることにするけど、こうこうこうなったら、いつでも来てね。こうこうこうだったら、明日小児科医に診てもらってね。」と付け加えるわけです。もしものことがこの子にあったら、、、私の責任だ、と。
質問いつでも下さい。変な質問、なんて思いません。私も新米ママなのです。わが子のことでは取り乱します、経験浅い小児科医でよければお答えいたします。
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