Re: Re(まつさんへ): 「ファーストフード好きの母親から生まれた子供はアトピー性皮膚炎になりにくい」!?
まつ/父親
2005/11/6
まつ です。
ありがとうございました。
それにしても、ずいぶんと大がかりな調査ですね。しかも、回収率がとても高いことにも目を引きます。考えられることをいくつか書いてみますね。
第1に、アンケートの設問がとても大事。定量的な設問(1日に何グラム食べましたか?)なら大丈夫なのですが、「たくさん食べましたか?」といった設問だと、主観が混じり込むおそれがあります。例えば、普段ほとんど食べない人が、この期間だけちょっと食べた場合「はい」と答えてしまう。
第2に、設問と結論とでズレている部分がある。いろんなホームページで「ファーストフード好きの〜」と紹介されていますが、設問は「揚げ物やスナック菓子、ファーストフード」とファーストフードは最後に置かれているんですよね。これだと、普通の人は「揚げ物、スナック菓子」で判断すると思います。ですから、最後の結論「ファーストフードに含まれる脂質が…」もピントが外れた内容です。ファーストフードが全面に出てきた理由は、マスコミの都合なのか、調査した人の都合なのか、気になるところです。
第3に、「有意」というのが実はくせもの。たとえ有意という結果が得られても、その結論が誤りである可能性は数%あることが多い。ひょっとしたら、別の自治体などで同じ実験をしてみたら、別の結果が出てくるかもしれません。実際、今回の調査でも、アトピーとの関係は有意ですが、食物アレルギーや喘息など他のアレルギー疾患では有意にならなかった。つまり、「見せかけの相関」の可能性も考えられます。例えば、厚生省の助成で行った「乳幼児に対するインフルエンザワクチンの効果に関する研究」でもみられます(前橋レポートのページに入っています)。
第4に、相関関係と因果関係は違うということです。因果関係が逆かもしれないし、その間に別の要因が介在しているかもしれません。例えば、普段から食生活に注意して揚げ物などを食べないようにしている人は、子供の皮膚の状態にとても敏感ですぐに病院に行ってしまい、結果的に「軽度のアトピーかもしれない」と判断される傾向がある、という因果関係かもしれません。アトピーの有無については、「発症」と書かれていますが、実際のところは「診断」ですから。。
この調査は、妊婦に大きな影響を与えることは、あらかじめ想像できます。また、結論も一般常識から大きくかけ離れています。それでも公表したということは、今回の調査は、様々な側面から批判的に再検討した後の、かなり頑強なものかもしれません。そうでなければ…
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