Re: タミフルと肺炎
はま/医療
2006/2/7
ほくママさん
看病記録を読ませていただきました。
>タミフルの副作用に「肺炎」もあるそうな。
>今回の肺炎は、タミフルの副作用なのか?
>それとも勢いの強かったインフルエンザとともに別の病原体が入り込んでしまったゆえの肺炎だったのか?
正直言って、解釈はたいへん難しいです。
6日目(1月25日)に3回目の受診をした時にはかなり症状も強く、すぐに病院を紹介してもらい、入院した時にも症状は強く、入院後、抗生物質の点滴を受けて、翌朝に解熱していますので、抗生物質(たぶんダラシン)がよく効く感染症(肺炎)であったことは、ほぼ確実といえるでしょう。
感染症週報でもマイコプラズマ肺炎は比較的多い年のようですし、入院した病院の医師が言っているように、マイコプラズマ肺炎の可能性が多いにあります(ところで、検査では何による肺炎と確認されたのでしょうか?)
確かに、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構の、副作用が疑われる例の報告に「肺炎」も報告されています。
そして、インフルエンザAがくっきりと陽性に出ていたので、発病初期にA型インフルエンザに感染していたのは確実ですから、はじめから、肺炎が主体ではなかったことも確実です。
(それまでタミフルを飲んでいて効いていなかったのに、抗生物質を使い始めてすっと良くなっていますから、インフルエンザではないでしょう。それに、もしもインフルエンザウイルスによるものなら、タミフルがまったく効かないインフルエンザウイルスということになります。もちろん、使っている途中でタミフルが効かない耐性ウイルスに変化することはありますから、ひょっとすればその可能性もありますが、そうすると今度は、抗生物質を点滴して翌朝には解熱したというのが説明つきにくいように思います)
しかしこれをタミフルの副作用と考えるかどうかは別ものです。
タミフルと異常行動死や幻覚、睡眠時の突然死との関係は、動物実験の結果や、薬理学的、中毒学的な常識からみて、自信をもって、「関連あり」といえるのですが、肺炎となると、薬理学的なつながり(発症の機序)の説明が難しいのです。
もし、タミフルが使われていなければ、「インフルエンザでは肺炎を合併しやすいのに、タミフルを飲まなかったから肺炎を合併してしまったのだ」とたちまちいわれそうです。しかし、タミフルを飲んでいるので、それはいえませんし、逆にタミフルの副作用の可能性を言わなければいけないかもしれません。
これを考えるうえで、喘息児のインフルエンザにタミフルを使用したときに治りの悪い子が、タミフル群に多かったという臨床試験結果は参考になるかもしれません。これは耐性ウイルスではなく、タミフルで細胞内に閉じ込められていたインフルエンザウイルスが、タミフルを服用しなくなった6日以降はまた細胞の外に出て長引いた可能性があります。
ほく君の場合には、タミフル服用中であったのでタミフル耐性ウイルスかもしれません。
少々無理やりの感じもしますが、結びつくとすれば、タミフルは呼吸抑制をするため、咳の反射も抑制されて痰が出にくくなるので混合感染を起しやすくなるかも知れません。
もうひとつは、インフルエンザウイルスを独力でやっつける場合には、ウイルスや細菌をやっつけるに必要なインターフェロンなどのサイトカイン類がでますが、タミフルを使うと、解熱もしますので、サイトカインの出方がやや少なめとなって、他のウイルスやマイコプラズマなどの微生物が繁殖しやすくなるかもしれないということも考えられます。
しかし、これらの推察は、タミフルによる異常行動や睡眠時の突然死の場合の関連よりははるかに根拠の弱いものです。
この種の合併症こそ、大規模の臨床試験、あるいは、易学的研究が必要だと思いますが、信頼できるデータを収集するのは困難を極めるでしょう。
>検査キットでインフルエンザだと分っても、やはり続く高熱には注意が必要ですね。
そのとおりと思います。
結局、インフルエンザが検査で確認されていても、そして、インフルエンザでタミフルを服用するにしろ服用しないにしろ、3日目あたりで解熱していなければ、別の感染症(あるいは合併)を考えたほうが良いかもしれないので、受診してきちんと検査を受けたほうがよいでしょう。
常識的ですが、その点は重要ということですね。
皆さんの看病記録は、インフルエンザや、タミフルの効果と害と、皆さんの考え方、医師の考え方など知る上でたいへん参考になっています。
ありがとうございます。今後もぜひ、生の看病記録をお聞かせください。
はま
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