自分の子供が、他の人の母乳を飲むということを、みなさんはどう感じますか?最近ではかなり多くの方が「嫌だ」という意見のようです。先日、40歳台の保育士さんと、この話題を話しましたが、その方は「嫌だという意見が多いとは信じられない」といっていました。「そういう意見は古い時代の人なんだそうです」といって、お互いに笑いあいましたが、価値観の移ろいには考えさせられるものがあります。他人の母乳だから嫌なのか嫌だという人に、自分の姉妹が、母乳がでる状態で、そういう身内ならどうかと質問すると、多くの方は「それでも嫌だ」と答える傾向があります。なぜ嫌なのか母乳によって感染する病気があるので、安易に他人の母乳を飲ませることは慎むべきだという理論派もいます。それなら姉妹のように、ある程度病気の有無が予想できる人になら大丈夫であるはずなのですが、答えはそうでもありません。質問の矛先を変えて、牛のお乳である牛乳はなぜ抵抗がないのかと質問すると、「滅菌処理」されているからなどという答えが返ってきます。では、採取した母乳を滅菌したらどうかと質問すると、「母乳とは体液です。他人の体液を子供に飲ませるなんて考えられない」というような意見が飛び出したりします。つまり、病気が心配だからなどという理由はあとから考えたもので、結局のところ「生理的に嫌だから嫌だ」という一点に集約できそうです。でも、もうひとつ、こんな質問をすると意外な答えが返ってきます。「もしも、粉ミルクがなかったら、他の母乳をもらうことをどう思うか?」「そのときはしかたががない」もらい乳を嫌悪する傾向は、粉ミルクの普及が支えていたのでしょうか。それにしても、「母乳は体液。他人の体液は気持ち悪い」という意見には苦笑しました。未来を舞台にした何かの映画で、「性行為で他人の体液を受け入れることは不衛生なので、子供は人工受精でカプセルで育てる」という趣旨の台詞がありましたが、このままでゆくと、ありえなくもないですね。(脱線)