先日のワクチントークの資料掲載許可をいただきました。ありがとうございます。予防接種に関する検討会はなにを検討しているの?第1回検討会(2004年10月15日)1 予防接種改正の経緯1948年(昭和23年) 予防接種法が制定後、何度かの改正 ・伝染のおそれがある疾病の発生及び蔓延の予防1976年(昭和51年) 予防接種健康被害救済制度が創設 (70年に閣議決定)1994年(平成6年) 大改正。目的の変更。個別接種に。被接種者の責務の見直し、 予防接種の対象疾患の見直し。健康被害の迅速な救済を図る、予診の徹底、国の責務として予防接種に関する知識を国民に普及させる、予防接種センター推進事業2001年(平成13年) 個人予防に比重を置く二類疾病というカテゴリー新設 (インフルエンザが対象疾患に)一類疾病:ジフテリア、百日咳、急性灰白髄炎、麻しん、風しん、日本脳炎、破傷風、(政令で痘そう)努力義務規定が明記二類疾病:個人の予防に重点をおき、併せて集団の予防を図る。努力義務なし。※2003年(平成15年10月) 政令改正、痘そうを一類疾病の対象疾病へ。 2004年度(平成16年度)よりポリオ生ワクチン二次感染救済事業を予算措置とし て開始 2004年3月ポリオ及び麻しんの予防接種に関する検討小委員会から、ポリオの予防接種については、ワクチン由来の麻痺を防ぐために、現行の生ワクチンから不活化ワクチン(IPV)の変更を検討すべきとの提言。(現在、認可申請中) 2004年11月 予防接種実施要領の改正 麻しんの予防接種の標準接種年齢を12か 月〜15か月、1歳3か月に(従前は生後12か月〜24か月)と定める。2 基本的方針・予防接種が有効な感染防御となる疾患には予防接種による感染症対策を継続する。・2001年には、高齢者のインフルエンザ予防接種の導入(5年を目途に検討)・麻しん、風しんなどの個別の予防接種についての改善・法令改正も視野3 改正の方向1.麻しんのブースター効果低下と2度感染を防ぐために2回接種とし、接種時期とワクチンの種類を検討する。2.風しんも緊急提言をうけ、06年度をめどに2回接種を導入する。3.麻しんと風しんを混合ワクチン(MR)で行う。4.ポリオを不活化ワクチンへ切り替え、三種混合DPTワクチン(ジフテリア、百日せき、破傷風)と同時に接種すること。5.インフルエンザ予防接種の対象者の見直し。6.組織培養型日本脳炎ワクチンへの変更 (日本脳炎資料 参照)第2回検討会(2004年11月24日)○加藤座長のまとめより はしか、風しんに関しては、我が国の目標としては、この両疾患を「排除」することを目標とし、両疾患とも2回接種法で「排除」を図ることが妥当。(理由)(1)5%程度免疫獲得ができない者がいる(2)自然boosterが得られなくなってきた場合には、ワクチンによるboosterが必要。(3)たまたま機会を失った方に対しては、最低1回は接種できることになる 接種時期は、就学以後は接種率が極めて下がるので、現行の予防接種法にある90か月以内という範囲の中で2回接種をすることが妥当。はしかに関しては、第2回目の接種は4〜5歳ぐらいがよろしいのではなかろうかという議論が多かったが、90か月までの幅をとるかということに関しては、事務局と詰める。 MRワクチンが日本で認可されれば、風しんのワクチンの接種率も向上するし、予算的なこと、接種率を考慮すると有効な手段。将来は更に増やしてMMRVというような四混ワクチンも考慮される。90か月を過ぎた成人層のリスクが高い方に、一定のキャンペーンを張る等の措置をしていただきたい。就学時に文部科学省等の協力を得て、未接種者に対する接種漏れ者に対するチェック等も要望があった。第3回検討会(2004年12月22日)ジフテリア・百日咳・破傷風・Hibワクチンについて百日咳全菌体ワクチンから81年に改良され副反応は問題なくなった。20年以上の実績がある。世界的に患者は減少。抗体価は60才くらいまで保持されており流行の制御には安全性の高いワクチンの高接種維持が必要。国内では百日咳菌株が市中に循環している。 成人の非典型的な臨床症状がある。乳幼児への感染源に可能性。ジフテリア国内で患者発生しても診断がつけられず死亡している事例がある可能性がある。Hib(インフルエンザ菌b型)小児に重とく感染症で細菌性髄膜炎の大部分をしめる。2期接種にDPTを。Hibワクチンの定期接種を。(資料 参照)第4回検討会2005年1月14日ポリオの予防接種について資料 参照第5回検討会2005年2月2日インフルエンザ予防接種について乳幼児におけるインフルエンザワクチンの効果(神谷・加地データ)(委員の構成)東京大学医科学研究所教授・付属病院長 岩本愛吉委員国立感染症研究所感染症情報センター長 岡部信彦委員聖マリアンナ医科大学医学部教授・横浜市西部病院長 加藤達夫委員「ひよこクラブ」編集長 蒲生真美委員墨田区役所保健衛生担当部長・墨田区保健所長 澤節子委員日本小児科医会常任理事 竹本桂一委員大阪市立大学大学院医学研究科教授 廣田良夫委員福岡市立西部療育センター長 宮崎千明委員日本医師会常任理事 雪下國雄委員 文責 日本消費者連盟 古賀真子