海ちゃんのママさん。しょうきママさんレスどうもありがとうございます。怒られるかもしれない事を承知で私の感想を書かせてもらいます。> でしたらたとえば、待合室にタミフルの副作用についてまとめたものを貼っておいて待ち時間に読めるようにするとか、熱の主訴で受け付けた場合、そこでタミフルについて書いたプリントを1枚渡して「こういうお薬もあります。待ち時間にお読みください」って言うくらいならできませんか?それも無理ならせめて、タミフルを処方した患者には添付文書のコピーを渡して「飲む前に読んでください。質問があれば電話してください」と一言言うだけでも、医師としての責任という点からも、患者の安心の点からも、黙って処方してしまうよりはずーっとよいと思います。医療知識のない素人(こんな言い方をしてすいません。)をだまくらかすことなんて簡単なんです。タミフルの怖い副作用ばかり並べた文章を渡して、タミフルは要りませんと母親に言わせることなんて簡単なんです。ただ間違ってはいけないのは、タミフルに限らず薬というものはうまく使えば利点もあるのです。実際世の中でタミフルを飲んでいる100人のうち90人は症状が早く治って満足しているのです。例えば重症のアトピー性皮膚炎にはステロイド剤が不可欠な場合もありますが、世の中にはマスコミ報道で副作用ばかりが喧伝されて、民間療法に走る親もいます。確かこの前もアトピーの子どもに日光浴療法(要は太陽光線に当てるだけ)という治療を施して、子どもを脱水状態で危険な状態にした事件が新聞に載っていたと思います。知識がないのに薬の怖い面ばかりを強調しすぎるとこのような悲劇も起きてしますのです。それから添付文書のコピーを渡せばということですが、添付文書は医療従事者が対象になっていますので、非常に難しい言葉が多いのです。副作用スティーブンジョンソン症候群と書かれていても意味のわかるお母さんは少数だと思います。あと副作用の定義が難しいのです。例えば新しい薬が治験されているとします。薬を飲んだ時にたまたま風邪をひいて熱が出たとします。この場合発熱が薬を飲んだために生じた副作用としてカウントされます。薬というのは安全のため疑わしきは罰するという方針で作られているのです。ですから添付文書に書いてある副作用を説明もなしにそのまま渡してしまうというのは危険な面もあるのです。例えばスレ主さんの2月5日の子さんのお子さんの場合ですが、(ご冥福をお祈りいたします。)添付文書だけをみると薬の副作用の精神症状でお亡くなりになったと思われるかもしれませんが、私は急激に発症したインフルエンザ脳症による精神症状の可能性はないのかなと思います。決して製薬会社の味方をする訳ではなく、医療従事者として冷静に選択肢を挙げるとそういう可能性もあるということです。どちらが原因であるか結論を出すのは裁判では可能かもしれませんが、本当の真実は今となっては闇の中です。> タミフルは断ったんですが、せきどめ、鼻水どめ、のどの痛みどめなどのシロップは持って帰ったんですから・・・しょうきママさん引用してごめんなさい。この文章にこの問題の根深さが読み取れます。私であればむしろせきどめ、鼻水どめ、のどの痛みどめなどのシロップは処方せずに、タミフルを処方します。何故ならタミフルのみが唯一インフルエンザに効く可能性のある薬であるからです。のどの痛みどめ(つまり消炎解熱鎮痛剤)は十分死に至る可能性のある副作用のある薬剤に該当します。ただ41度の発熱でぐったりしてしまった子どもの熱を下げて、水分や食事を取らせるために使用するのであれば必要である薬だと思います。薬には必ず利点と欠点があります。例えばイレッサという肺がんの治療薬の副作用がよく新聞で報道されていますが、ああいう薬を使用しなければならない人達というのは、その治療をしなければ元々がんで死んでしまう人達がほとんどだと思います。言わば藁をもつかむ気持ちでみんな使っているのです。不幸にして効果がなく、肺がんが原因で死亡する症例も中にはあるでしょう。そのような症例もマスコミの手にかかると、イレッサを飲んでいた肺がんの患者が死亡したというように修飾された表現になります。そもそもどうしてインフルエンザを心配して夜の救急外来に駆け込む親が多いのかというと、マスコミの影響が大きいと思います。世の中にはインフルエンザ脳症という、死亡したり、後遺症が残ったりする怖い病気があるんだよ。↓最近インフルエンザの特効薬であるタミフルが発売されたんだよ。↓わが子をインフルエンザ脳症の危機から救うためには、一分一秒でもタミフルを飲ませなければならない。こう考える親御さんが多数夜間急病センターに駆け込む気持ちはわからないでもありません。しかし間違ってはいけないのは、兄がインフルエンザにかかった場合、弟にタミフルを予防的に飲ませ、インフルエンザの発症を予防することにより、インフルエンザ脳症の発症を防ごうとする理論があります。しかし熱が出た(つまりウイルスに感染した)人にタミフルを飲ませることによって、インフルエンザ脳症への進展を防ぐことができるという科学的データはどこにもないのです。親の不安をあおるだけではなく、このような事実をマスコミはもっと報道してもらわないといけないと思います。しかしそもそも夜間の救急外来に駆け込んでくる親御さんは必死になって藁をつかみに来ている方がほとんどなので、このような事実を短時間説明して納得してもらうことは難しいでしょうね。それから現在の医療制度の問題点として、患者側も薬をたくさんくれる医者がいい医者だという考えが根強い点が問題です。私は大学病院に勤務しており、病院がいくら赤字になっても税金が補填してくれるので(失礼)、必要のない薬は堂々と必要ありませんと言います。その結果親が失望して、病院に来なくなって、病院が赤字経営になったとしても言葉は悪いですが、私の知ったことじゃありません。でも私が民間病院や、個人の開業医で、そのような方針でやっていて、患者が減ってきたら、やっぱり安易に薬を出してします医者になってしまうかもしれません。私も飢え死にする訳にはいきませんので。カウンセリングをするだけでも(むしろ時間をかけてカウンセリングを行うほうが)病院の収入になるというようなシステムがあれば、もっといい方向に進むのかもしれません。それから最後になりますが、親となって子どもを育てる責任のできた方達は、こどもの病気に関する簡単な本でも構いませんので、最低1冊は読破して下さい。夜になって熱が出て、訳がわからず病院に行って薬を出されて飲んだら副作用が出たから医者は責任をとれというのは、親としての責任を放棄しています。長文駄文お読みいただきありがとうございました。