こんにちは。一言だけコメントしますね。> どなたか、この「重症化を防ぐ」という説が正しいか、正しくないか、判断するための情報源を知りませんか?信頼に足るデータって、なかなか見つからないと思います。第1に、「重症化」というのが脳炎のことでしたら、そもそも脳炎になるケースが少ないため、予防接種との因果関係を明確化することは難しいと思います。たしか、予防接種を受けても脳炎を発症したケースがあると聞きましたが、だからといって「予防接種を受けても脳炎を予防できない」ことの証明になるわけではありません。第2に、「重症化」というのが脳炎以外の症状の場合、他の要因を除去して予防接種の影響だけを判別するのは至難の業です。なぜなら、病気の重い、軽いは、そのときの健康状態(疲れ、ストレスなど)によっても大きく左右されそうだから。また、症状の重い、軽いはどちらかというと主観的なものですから、この点からも白黒つけるのは難しいそうですね。第3に、さらに困ったことに、推進派、慎重派ともにデータを都合よく解釈することが多いので、一体どれが正しい情報なのか素人には全く分からない。予防接種に効果があるとする調査では、サンプルの選び方が決定的に重要なのに、偏りのある滅茶苦茶なサンプルの選び方をするものだから、分析自体の信頼性が失われているケースが多い。予防接種が効果がないと主張する方も、かなりバイアスのかかった評価をする傾向があります。ですから、「はっきりと分からない」というのが現状ではないでしょうか。ところで、インフルエンザに感染・発症することのリスクって、どの程度とお考えですか? マスコミ報道があんな調子ですから、きっとインフルエンザは「子供にとって恐怖のウイルス」という印象を抱いているのではないでしょうか。でも、実際、インフルエンザで亡くなる子供って、それほど多くないんです。最後に添付したのは、厚生労働省が作っている「人口動態統計」という資料を整理して、1〜4歳の死亡者数を抜き出してみたものです。この統計は、死亡診断書をもとに作成される全数調査(漏れがない)なので、かなり信頼性が高いものです。これをみると、1年間でインフルエンザで亡くなったのは 32 人。一方、人口は462万人です。このうち半分がインフルエンザに感染したとしたら、死亡率は7.2万人に1人。この数字をどう考えたらいいでしょうか。私は、この数字を見て、とりたててインフルエンザを怖がる必要はないと判断しています。インフルエンザの死亡者だけをみると判断が難しいですが、他の要因をあわせて見れば、おおよそのリスクの度合いを把握することができます。交通事故に遭うリスクよりも小さそうだ、とか。交通事故で死亡する人の方が圧倒的に多いのに、普通の人は車を極端に怖がることはありません。ちょっと注意を払うだけです。つまり、日常生活のなかで、車のリスクと上手につきあっているわけです。ウイルスだって決して消滅するわけではなく、一生の間ずっと共存していくわけですから、病気に関しても、こうした上手なつきあい方ができればいいと思っています。もちろん、重症化する可能性があること、それがどのような症状で始まるのかなどは念頭に置いておく必要はありますが。。。