まつ です。> 前橋レポートはいまひとつ信用性に疑問をもっています。> なぜ、世界的にレポートとして名を知らしめないのだろうかとか・・・。正式な医学論文ではないから、というのが答えでしょうか。前橋レポートは、専門の研究者がたっぷり時間をかけて作成したのではなく、校医・開業医が本来の業務の合間をぬってデータを集め、レポートの形に仕上げたものです。オリジナルの誤字・誤植を修正する余裕もなかったくらいですから、英訳することなど最初から頭になかったと思います。また、作成の目的も、研究者向けにデータを提供するためではなく、自分たちが担当している子供たちにとって必要な情報を得ることが第一となっていました(予防接種は流行予防に効果があるのか否か)。ですから、専門誌には投稿されていません。国や大学は、予防接種を否定しかねない実験に予算なんかつけてくれません。ですから、トヨタ財団の研究コンクールに応募し、助成をつけてもらいました。そして、トヨタ財団から「助成研究報告書」という形で発表されたのが、現在「前橋レポート」と呼ばれているものです。このように、そもそも、名を知らしめることを目的としていなかったのです。一方、その実験規模は他に例を見ないほど大規模なものでした。というのも、600人の学童を5年間追跡して血中抗体を調べたのからです。毎年2回、同一の児童から血液を採取し、それを分析し、同時に出席状況のデータと突き合わせていく、といった途方もない作業です。多くの医学論文が、ごく短期間で、偏りのあるサンプルを使って実験することが多いことと対照的です。ちなみに、そうした医学論文は「名を知らしめる」ことを第一の目的としていたりします。。もしお時間があれば、前橋レポートの最初の方だけでも目を通してみれば、このあたりの経緯が分かると思います。