MRSAは「メシチリン耐性黄色ブドウ球菌」の略語です。抗生物質のメシチリンに耐性があることから名付けられましたが、その実は多剤耐性菌です。(メチシリンとは、ペニシリンに耐性がある黄色ブドウ球菌の出現によって開発された抗生剤です。)つまり通常に使われる抗生物質に耐性がある訳です。これは特別にどこからか感染するのではなく、人間の躰に常在している菌の一つで、鼻腔や咽頭、皮膚から検出されることが多くあります。健康な人の場合、感染を起こすことはありませんが、抵抗力が落ちていたりすると、感染が成立し発症します。又、消毒剤への抵抗も強く、通常の消毒剤では消毒効果も期待出来ません。塩化ベンザルコニウム、イソジンなどが有効であり、手洗いにはヒビスクラブという洗剤が有効であると言われています。NRSAは多剤耐性菌であることから、難治性であると言われています。しかし、だからといって恐れる必要はありません。MRSAに有効な抗生剤を使うことで、他の菌に感染したのと同じように治癒します。注意事項としては1.傷には決して触れない(触れさせない)2.手洗いを励行する(本人は言うに及ばず、周囲の人も)(塩化ベンザルコニウム液は薬局に売っています。ヒビスクラブは普通の薬局では入手が難しいかも知れませんが、聞いてみて下さい)3.医師の言いつけを良く守る4.抵抗力が落ちないように、十分な栄養と休養を取る5.洗濯物はできるだけ日光で干す位でしょうか?ご心配だとは思いますが、元は常在菌です。余り神経質にならずに医師の言いつけを守って治療して下さい。