情報の扱い方について、ちょっと前ですが気になった記事がありました。12月2日の朝日新聞です。http://www.asahi.com/health/news/TKY200512020209.html「インフルエンザ、今冬はA型流行か 香港型なら短期拡大」として、昨年流行したB型は抗体を保有している率が高いので、今年はB型は流行せず、A型が流行するとみられる、とさらりと書いてあります。 「前の年にかかった人は、免疫を持っているので、同じ型にはかかりにくい」という、なぜか新聞などではあまり語られることのない情報がせっかく書かれているのに、だから、今年はB型ではなくA型が流行し、それを防ぐには、やっぱりワクチンが必要、という文脈になっています。ウィルスの型が急激に変化することもあるでしょうし、下手に安心感を与えてはいけないのは分かりますが、それはそうと注意点を書けばいいことで、もっと突っ込んで、前年にインフルエンザにかかった人は、今年は感染しにくい傾向にある、という情報としては扱えないのでしょうか?ただ、インフルエンザは怖いものであるというばかりではなく、ちょっと前向きになれる方向での情報の伝え方は出来ないものかな?と思いました。本文は以下のようなものです。>今年も各地でインフルエンザの患者が出始めた。昨シーズンにB型が大流行したため、今シーズンは免疫を持つ人が増えたB型より、A型が流行の主流になるとみられる。なかでもA香港型は短期間で多くの人がかかる可能性があり、専門家は注意を呼びかける。 (中略)> 今年は例年になくB型の免疫を持つ人が多いとみられている。都による免疫の有無を調べる検査でも、過去15年でB型の抗体保有率が2番目に高く、A型は平年並みだ。 こんな免疫の有無を調べる検査も行われているんですね!なお、A型が平年並みにあるというのであれば、爆発的に流行することもない、とうがってみることも出来るような…。昨年かかった人は、今年かかっても軽く済む、という”ワクチンのような効果”を調べてくれる調査はされていないのでしょうか。>国立感染症研究所感染症情報センターの安井良則主任研究官も「過去20年間、B型が2年連続で大流行を起こしたことはない」としている。 (中略)> けいゆう病院(横浜市)の菅谷憲夫小児科部長は「A型の中でも香港型が流行すると、若い元気な人もかかり、重症化する可能性がある。特に高齢者や小さい子どもは流行前にワクチンを受けておいてほしい。不要な外出を避け、うがい、手洗いや規則正しい生活も忘れずに」と話している。この記事から、私は、「前年にインフルエンザにかかっている人は免疫があるので、今年は同じ型にはかかりにくい」ということが、医療の世界では常識であるのだろうなあ、と感じました。(私自身の周りを見てみると、実際にその傾向があると感じています。)でも、これってあまり一般的に知らされていることではなく、毎年毎年、「今年もインフルエンザ大流行?」とただ脅されている?ように思えてしまいます。裏側から読んだらどうなるかな?と思って書いてみました。