II.調査研究
2.対象と方法
B.方法
2)「指定校」を対象とした調査と検査
(iii)インフルエンザHI抗体価検査以外の付帯的検査
毎年11月に採血した血清の一部により,児童の当面の健康管理に役立つと考えられる検査を行い,個人別に通知した。年度毎に行った検査項目の一覧は〔表4〕の通りである。二三の項目に付いては,まとめて検討の上,日本小児科学会群馬地方会あるいは群馬肥満研究会などに報告しているが,主たるテーマからはずれるので,この報告書には収載しない。
インフルエンザHI抗体価検査の結果については,個別に通知するかどうかはその学校の学校医にまかせられた。多くの場合,学校全体としての抗体価分布状況については,流行状況と関連させて,学校保健委員会や学年PTA集会の席上で,各学校医が報告説明した。これは,インフルエンザについて理解を深めてもらうよい機会にもなった。しかし,むしろそれ以上に関心を呼び,喜んでもらえたのは,これらの付帯的検査の結果であった。「学校健康相談」の制度を生かして,個別的にも相談にのり,学校医は熱心に活動した。特別の身体的事情のある児童を除いて,採血のできなかった児童の数がきわめて少なかったことについて,この付帯的検査と学校医の熱心な活動の役割を,強調しておかなければならないと考える。
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