II.調査研究
3.成績
C.小学校の欠席率によって見たワクチン効果
1)調査方法
調査用紙は,市町村教委を経て学校に配布し,学級単位で調査を実施した。
調査項目は,(1)かぜによる欠席,早退の状況,(2)37℃以上の発熱の有無,(3)インフルエンザワクチン接種状況,(4)学級閉鎖の有無と期日,(5)授業時間の短縮措置の有無などであるが,この章では(1)から(3)の項目に関する資料を利用する。
調査対象期間は,1984年度は1985年1月8日から2月28日まで,1985年度は1985年11月3日から12月28日までの授業日とした。ただし,インフルエンザ様疾患による欠席率が在籍の2%以上で持続した期間をインフルエンザの流行期間として,学校毎に流行期間を決めて調査した。
日別欠席率は,在籍数を母数として,それに対する毎日の欠席者数の割合を%によって示すこととし,学級閉鎖中の学級については,在籍数の20%の者が欠席しているものとして算定した。
ここにいうインフルエンザ欠席者(以下,単に罹患者という)とは学校毎に決めた流行期間内の欠席者のうち,以下の条件を満たすものとした。
- 37℃以上の発熱があって,連続2日以上欠席した者。
- 発熱は不明であるが,連続3日以上欠席した者。
上記の履患者について,インフルエンザワクチン接種回数より「非接種群」「一回接種群」「二回接種群」の3群に分類し,それぞれ集計した。各群の欠席者率を以て罹患率とした。
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