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No.2250 : Re: 本質的なこと
( 返信 )
 一小児科医 - 2005/03/02(水) 00:50

皆さんたくさんのレスどうもありがとうございます。
もっと批判の意見が多いと思っていたのですが、
案外好意的な意見が多かったのは、正直意外でした。
理解して下さる方がいるという事は勇気づけられます。

> オススメの本はありますか?取り急ぎ、親はどういうことを知っていたらいいのでしょうか?もっと言えば、お医者様としてはどういうことは知っていて欲しいですか?


申し訳ありませんが、一般書店で販売されている本に関しては
あまりわかりませんので、お勧めできるような本はないのです
が、読売新聞の医療と介護のページは結構有用な記事が多いと
思います。私も時々コピーを患者さんに渡すことがあります。
(著作権法は無視しております・・・)

医者として知っていてほしいこととしては、言い訳に聞こえる
かもしれませんが、
1 人間(医師も患者も)は精密機械ではありません。
  当初の予測(医師)と違う経過を示す(患者)場合も
  当然ありえます。
  例えばほとんどの風邪に抗生物質は無効であると最近
  日本呼吸器学会が指針を出していますが、反対にとれば
  ごく少数の風邪は抗生物質が有効な場合もあります。
  マイコプラズマ感染症や溶連菌感染症などがそれに
  あたります。今朝から咳と鼻水と発熱があると外来に
  来る場合、最初の時点で判断できない場合もあります。
  とりあえず最初は抗生物質無しに経過をみて、改善傾向
  がないので検査をして原因が判明したとします。
  そんな時親御さんから、こんな事になるんだったら
  どうして最初から抗生物質を出しておかなかったのか
  と責められると、こんな思いをするくらいなら何も
  考えずに最初から抗生物質を出しておく方がいいやと
  考える医者も多いと思います。私の印象では本来真面目で、
  心優しい患者思いの医者ほどそういう傾向があるようにも
  思えます。(傷つきやすいんですね。私と違って 笑)

2 初めて高熱を出して病院に来る子どもの親御さんなどは
  強い不安を持って病院に来ている場合が多いです。
  そういう親御さんに対して、ぐったりしてしんどそうな場合
  には解熱剤を使うことが必要なこともあると説明はするの
  ですが、もしこの薬を使った場合、最悪の場合には全身の
  皮膚がずるむけになって失明したり、最悪の場合には死亡
  する場合もあるので、よく理解した上で使ってくださいとは
  正直言いにくいです。そう言われた親御さんはこどもは
  しんどそうだし、かといって薬を使うと副作用が出る可能性
  があるし、家に帰ってから余計に混乱すると思います。
  副作用の事は黙って、薬を処方する事も正直あります。
  それで万が一副作用が出て、責められると、正直立つ瀬が
  ないです。
  最近小さな手術の場合でも病院では同意書をとるのが
  当たり前になっています。ようするに万が一想定外の事が
  起こっても責任がとれない場合があるから理解しておいて
  下さいねという責任逃れの書類なのですが・・・
  そのうち外来で風邪薬を出すのにも同意書をとる時代が
  来るのかもしれませんね。そうなってくると正直医者と
  患者の間の信頼関係もあったもんじゃないなと暗い気持ちに
  なりますが、医者は副作用が出たといって責められることは
  少なくなり、患者も本来知らなかった副作用の機会を知る
  ことができると思えば、案外同意書をとるのも悪くはない
  かもしれませんね。

少数でも応援して下さる患者がいるということがわかったので、
これからも必要な薬はいる、いらない薬はいらないといえる医者
でいたいと思います。

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