皆さんたくさんのレスどうもありがとうございます。もっと批判の意見が多いと思っていたのですが、案外好意的な意見が多かったのは、正直意外でした。理解して下さる方がいるという事は勇気づけられます。> オススメの本はありますか?取り急ぎ、親はどういうことを知っていたらいいのでしょうか?もっと言えば、お医者様としてはどういうことは知っていて欲しいですか?申し訳ありませんが、一般書店で販売されている本に関してはあまりわかりませんので、お勧めできるような本はないのですが、読売新聞の医療と介護のページは結構有用な記事が多いと思います。私も時々コピーを患者さんに渡すことがあります。(著作権法は無視しております・・・)医者として知っていてほしいこととしては、言い訳に聞こえるかもしれませんが、1 人間(医師も患者も)は精密機械ではありません。 当初の予測(医師)と違う経過を示す(患者)場合も 当然ありえます。 例えばほとんどの風邪に抗生物質は無効であると最近 日本呼吸器学会が指針を出していますが、反対にとれば ごく少数の風邪は抗生物質が有効な場合もあります。 マイコプラズマ感染症や溶連菌感染症などがそれに あたります。今朝から咳と鼻水と発熱があると外来に 来る場合、最初の時点で判断できない場合もあります。 とりあえず最初は抗生物質無しに経過をみて、改善傾向 がないので検査をして原因が判明したとします。 そんな時親御さんから、こんな事になるんだったら どうして最初から抗生物質を出しておかなかったのか と責められると、こんな思いをするくらいなら何も 考えずに最初から抗生物質を出しておく方がいいやと 考える医者も多いと思います。私の印象では本来真面目で、 心優しい患者思いの医者ほどそういう傾向があるようにも 思えます。(傷つきやすいんですね。私と違って 笑)2 初めて高熱を出して病院に来る子どもの親御さんなどは 強い不安を持って病院に来ている場合が多いです。 そういう親御さんに対して、ぐったりしてしんどそうな場合 には解熱剤を使うことが必要なこともあると説明はするの ですが、もしこの薬を使った場合、最悪の場合には全身の 皮膚がずるむけになって失明したり、最悪の場合には死亡 する場合もあるので、よく理解した上で使ってくださいとは 正直言いにくいです。そう言われた親御さんはこどもは しんどそうだし、かといって薬を使うと副作用が出る可能性 があるし、家に帰ってから余計に混乱すると思います。 副作用の事は黙って、薬を処方する事も正直あります。 それで万が一副作用が出て、責められると、正直立つ瀬が ないです。 最近小さな手術の場合でも病院では同意書をとるのが 当たり前になっています。ようするに万が一想定外の事が 起こっても責任がとれない場合があるから理解しておいて 下さいねという責任逃れの書類なのですが・・・ そのうち外来で風邪薬を出すのにも同意書をとる時代が 来るのかもしれませんね。そうなってくると正直医者と 患者の間の信頼関係もあったもんじゃないなと暗い気持ちに なりますが、医者は副作用が出たといって責められることは 少なくなり、患者も本来知らなかった副作用の機会を知る ことができると思えば、案外同意書をとるのも悪くはない かもしれませんね。少数でも応援して下さる患者がいるということがわかったので、これからも必要な薬はいる、いらない薬はいらないといえる医者でいたいと思います。