まつ です。> 第1に、予防接種で死亡する確率と、自然感染で死亡する確率とでは、後者の方が明らかに大きいから。例えば、予防接種の副作用の確率1%、脳炎にかかる確率10%、予防接種で脳炎を防ぐことができる確率30%、といった仮説値を使って場合分けしてみれば、予防接種をするメリットの方が大きくなることが分かります。他のスレッドでも取り上げられていたので、ちょっと捕捉しますね。例えば、以下のような仮説値を置いてみます。1. インフルエンザ予防接種の副作用で死亡するのは100万人に1人2. インフルエンザに自然感染して死亡するのは10万人に1人(副作用の10倍)3. 普通に生活していてインフルエンザに自然感染する確率は50%4. 予防接種でインフルエンザによる死亡を防ぐことができる確率は30%すると、場合分けは最後のグラフのようになります。結論は、1. 予防接種をした場合、45人が死亡する2. 予防接種をしない場合、50人が死亡する副作用で死亡する確率が100万人に1人というのは、かなり大きめの仮説値です。これを1,000万人に1人まで下げてみると、結論は、1. 予防接種をした場合、36人が死亡する2. 予防接種をしない場合、50人が死亡すると、違いが一層はっきりしてきます。これだと、予防接種の効果を10%くらいに下げてみても、1. 予防接種をした場合、46人が死亡する2. 予防接種をしない場合、50人が死亡すると、予防接種の有用性は認められることになります。このように、限られた情報の中からでも、判断基準となりうる情報を作り出すことはできるんですね。なお、上記の仮説値は私の頭の中のイメージを置いてみたものですから、実態を正確に反映しているとは限りません。皆さんのイメージを表すような数値例を置いて、試算してみてください。以上が、前の投稿(No.4125)で書いたことの具体例です。以下は、私の考えになりますが、以上の試算を踏まえたうえでも、私はインフルエンザの予防接種を受ける気にはなりません。これは二つの理由からです。第1に、どちらにしても極めて小さいリスクなので、十分に無視することができるから。予防接種を受けに病院に行く間に交通事故に遭うリスクも加えてみれば、同程度になるくらいの違いでしかありません。第2に、長期的な体への影響。病気全般に対するそもそもの考え方かもしれません。つまり、病気を避けることは、長い目で見て、健康な子供にとって本当に良いことなのかという疑問です。これについては、前橋レポートに有益な情報が多くあります。ただ、特定の状況に置かれている方は、インフルエンザの予防接種を受ける意味は大いにあると思います。例えば、ごくわずかな違いしか期待できなくても、一時的な効果に過ぎないとしても、とにかくリスクを低くしたいと考える場合。一生を左右する可能性がある受験を控えているとか、極端な心配性であるとか。あるいは、基礎疾患がある場合も。今回の試算では「死亡」を判断基準としましたが、基礎疾患がある場合、死亡ではなくて「重篤に陥る」場合を判断基準とすべきですね。例えば、以下のように、前提となる数値例を100倍した場合、1. インフルエンザ予防接種で重い副作用が起きるのは1万人に1人2. インフルエンザに自然感染して重症化するのは1,000人に1人3. 普通に生活していてインフルエンザに自然感染する確率は50%4. 予防接種でインフルエンザによる死亡を防ぐことができる確率は30%試算の結果は、以下のようになります。1. 予防接種をした場合、3,600人が重症化2. 予防接種をしない場合、5,000人が重症化人数がずいぶんと多くなりました。これだと、健康児の場合はごく小さなリスクにとどまっていたのとは異なり、決して無視できる違いではないと判断すべきでしょう。[74%に縮小してあります]