2月5日さん、この度の事、本当に残念でしたね。息子さんに様々な可能性があったことを思うと…ご冥福を心よりお祈りいさせて頂きます。こういったことが起こる前に、まずはこれから飲もうとされるお薬について十分な知識をお持ちであれば…と思い、薬剤師の立場から投稿させていただきます。まず皆さん「インフルエンザの特効薬」と称され、それを信じてお飲みになったことかと思います。ですが、「インフルエンザの特効薬」ってどういうことでしょうか?おそらくこれをお飲みになった皆さんは、「体内のインフルエンザをやっつけてくれ、インフルエンザに罹ったことをなかったことにしてくれるお薬」と思われたのではないでしょうか?残念ながら、その様な都合のよいお薬では元々なかったのです。まず、インフルエンザについて、簡単(?)にご説明させていただきますと…インフルエンザはウイルスが原因の病気ですが、インフルエンザウイルスを体内に持ち込んでいない人はおそらく1人もいないと思います。ですが、インフルエンザの症状が出る人と、そうでない人がいる…それは何故か?それは、インフルエンザウイルスが、体内で繁殖するのを許してしまう体か、そうでない体か…そこに違いがあるのです。いわゆる「免疫力」という物ですね。つまり、インフルエンザの症状を抱えてらっしゃる方は、・免疫力が落ちていること・インフルエンザウイルスが既に体内で大量に繁殖していること少なくともこの2つの状態ではあるわけです。では、「インフルエンザの特効薬」と称される「タミフル」そしてその分類に位置する「ノイラミニダーゼ阻害薬」は、どういったお薬なのでしょうか?免疫力が落ちている状態を改善するお薬なのでしょうか?大量に繁殖したインフルエンザをやっつけてくれるお薬なのでしょうか?実は、そのどちらでもないのです。「タミフル」そしてその分類に位置する「ノイラミニダーゼ阻害薬」には、下がってしまった免疫力を上げてくれる働きも、繁殖してしまったインフルエンザをやっつけてくれる働きも無いとされています。少なくとも添付文書にも教科書にも、その様な働きは一文字たりとも載っていません。では、「タミフル」とは、どのようなお薬なのでしょうか?それは、「現状以上にインフルエンザウイルスが繁殖するのを抑えるお薬」なのです。「タミフル」が分類されている「ノイラミニダーゼ阻害薬」というお薬は、その名の通り、「ノイラミニダーゼ」を「阻害する」お薬です。この「ノイラミニダーゼ」は、インフルエンザウイルスが己を繁殖させる為に使う酵素、いわば小道具です。その、インフルエンザが増える為に使う小道具の働きを押さえつけてしまえば、インフルエンザが「これ以上増えるのを」抑えられるのではないか…?そういう意図の下に開発され、研究され、そして世の中で使われるようになったお薬です。当時、インフルエンザに対し何の手段もなかった頃に比べると、それに対抗しうる(と思われた)手段を手にしたことは快挙であり、それをもって「特効薬」と言わしめた、という部分もあるでしょう。ですが繰り返します。「タミフル」が分類されている「ノイラミニダーゼ阻害薬」というお薬は、その名の通り、「ノイラミニダーゼ」を「阻害する」お薬です。それ以上でも以下でもないのです。それこそが、このお薬が持つ「本来の姿」です。当然、本来我々に備わっている、ウイルスをやっつける力を上げる働きも、インフルエンザウイルスそのものをやっつけてしまう働きも持ちえません。すなわち、「タミフル」そして「ノイラミニダーゼ阻害薬」というお薬は、よく言えば「これ以上の悪化を防ぐお薬」と言えるでしょうが、悪く言えば、「すでに体内で起きた症状を回復させるお薬ではない」のです。お薬を飲んで効かなかったり、(正確には「効いた実感が得られない」でしょうが…)お薬を飲んで症状が悪化したり、予期せぬ不具合が生じた時、その原因をお薬の内にお求めになるのでしたら、まずは「そもそも、今私が飲んだお薬ってどんなお薬だったの?」と、ご自身で「熟考」し、そしてそれ以前に「これから飲むお薬ってどんなお薬なの?」と、ご自分が納得されるまで説明を受けるべきだったのではないでしょうか?誠に僭越ながら、この掲示板のタイトルに「考える」の一言があったので、このような形でまとめさせて頂きました。長文のお付き合い、ありがとうございました.p・sこのような公共の場では発言し得ない、自分なりの考えは沢山ございますので、もしその辺りについてご質問などございましたら、XXXXXXXXX@hotmail.co.jpまでお気軽にどうぞ。【管理者】記載されていたメールアドレスが、登録されものと違っていたため、修正させていただきました。