救急や休日診療をパンクさせているのは、むしろ、48時間以内にもしくは少しでも早く抗ウィルス薬を飲ませなければ!と集中する、「発熱のみ」の軽症患者さんなんじゃないかと思います。お友達が何人薬をもらう方をみて、もらわない方を何人見たかわかりませんが、薬の要不要よりも、そもそも救急にかかる必要のあった患者さんが4時間待っている間に何人いたか?と考えると、どうでしょう。今年に限ったことではなく、インフルエンザの季節は夜間や休日に救急性のない患者があふれて、本当に重篤な患者さんが見落とされる危険があります。救急は、診察時間の長い病院ではありません。「命の危機のある人」を助ける場所です。熱が出たからって、薬もらわなくちゃ!って救急に駆け込むのは控えて、赤ちゃんや基礎疾患のある方、熱以外の深刻な症状がある方のために救急を譲ってください。タミフルも、健康な人なら飲まなくても大丈夫だし、国内で発生した新型インフルエンザでの死亡例、ほとんどがタミフル等抗インフルエンザ薬使用群です。薬さえ飲めば大丈夫というわけではけしてないので、過信し過ぎず、落ち着いて受診のタイミングを計ると良いんじゃないかと思います。普段から、医者に行ったら必ず薬を持って帰るという受診の仕方の方が多いと思いますが、私は、医者は薬屋ではなく、病気の識別をして、経過の予測を教えてくれて治療方法を相談する相手だと思っていますので、薬をもらわず帰るのは珍しくないです。救急のかかり方は、みんなでしっかり考えた方がいい問題ですよね。