みなさんは、体にとって、なんらかの治療や工夫が必要なタイミングとはどんなときだと思いますか?例えば熱がでた時、なんだか心配になりますよね。不安になって、何か手当てをしなければならないという気持ちにもなってきます。それで、これまでの習慣で解熱剤をあげたくなる人もいるでしょう。対症療法は、そういう考え方なのだから、それでよいと思います。一方、ホメオパシーに出会った人は、こんなときにはこのレメディーという具合に、やはり手当ての必要なタイミングというような考えでいる。これはどうでしょうか。熱がでたというだけで、本当にレメディが必要でしょうか。結論から言えば、「ノー」だとおもいます。ホメオパシーの価値は、ホメオパシーの「薬」にあるのではなく、その考え方にあると思います。症状の後押しをすることで、当然の経過を期待する同種療法(ホメオパシー等)は、症状や経過に停滞が無い限り必要がないわけです。上手に発熱している子供に、対症療法のようなタイミングでホメオパシーのレメディを与えるなどというのは、やはり対症療法に慣れ親しんだ発想から抜け出していないと思います。不要な介入は、それがどんなに無害な方法でも理があるとはいえません。では、発熱ならばどんな条件で使用するのがよいでしょうか。考えられる答えは、「熱が今ひとつぱっと上がらないとき」でしょうか。日常的な体調の不調にレメディというのはどうでしょうか。そもそも、現代の日々は心身にとって理想的な生活なのでしょうか。心身にとってそれなりの負荷がある日常ならば、多少の不調感は当然の反応であり、正常の範囲です。寝不足の翌日に頭痛がしても当たり前でしょう。食べすぎて翌日下痢をしても、別に不思議ではないし当然の反応です。それをコントロールすべき大問題と思っているひとは、そのような考え方が大問題なのであって、考え方で自分を縛っているにすぎない。ビタミン剤をホメオパシーに置き換えても、本質はかわりません。物事の考え方や、日常の生活スタイルをダイナミックに変えなければ、本当に変わるものは無い筈です。ところで問題は、むしろ不調を感じなくなったときですね。無理しても、無理のしわ寄せを感じない。このようなときは、手当てのタイミングとして介入は必然だと思います。