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厚生労働省によるワクチン効果研究(2000〜2002年度)の問題点


カンガエルーネット管理者によるコメントです。

インフルエンザ予防接種、幼児も定期接種へ

2004年10月18日付の日本経済新聞によると、日本小児科学会は、幼児へのインフルエンザ予防接種を定期接種の対象に加えるべきだという提言をまとめ、厚生労働省に提出するようです。

この根拠には、厚生労働省が2000年度から2002年度にかけて行った調査で、インフルエンザ予防接種が有効と判断されたことがあります。ところが、この調査は、素人からみても不備が目立ち、「最初に結論ありき」が見え見えのものです。以下では、私が「ここは変だ」と思った点を書いてみます。

  1. 平成12年度 厚生科学研究費補助金 研究報告書
    『乳幼児に対するインフルエンザワクチンの効果に関する研究』
    主任研究者 神谷齋 国立療養所三重病院院長

  2. 平成13年度 厚生科学研究費補助金 研究報告書
    『乳幼児に対するインフルエンザワクチンの効果に関する研究』
    主任研究者 神谷齋 国立療養所三重病院院長

  3. 平成14年度 厚生科学研究費補助金 研究報告書
    『乳幼児に対するインフルエンザワクチンの効果に関する研究』
    主任研究者 加地正郎 久留米大学名誉教授


サンプルの偏り(バイアス)

最初の問題点は、調査対象のサンプルに大きな偏り(バイアス)が存在していることです。

サンプル数は接種群・非接種群それぞれ1000〜1500人と比較的大きく、どちらかが極端に大きいといった問題はありません。男女差も変わらず。問題はそれ以外です。

一つめは、過去のインフルエンザ予防接種を受けたかどうかです。「前シーズンの接種」「過去3年以内の接種」という属性を見てみると、接種群と非接種群の間では、以下のように明らかな違いがあります。つまり、接種群は過去に予防接種を受けている人たちが多く含まれているグループであり、反対に、非接種群は予防接種をほとんど受けていない人たちが多く含まれるグループといえます。

前シーズン/過去3年以内に予防接種を受けた人の割合

この調査では、小児科診療所の受診患児がサンプルになっているため、次のようにサンプルを選び出している状況が目に浮かびます。まず、予防接種を受けに来た人を接種群として依頼する。次に、実際に病気で受診した人の中から非接種群として依頼する。

では、これによって、どのようなバイアスがかかるでしょうか?

例えば、接種群は健康児で、非接種群は相対的に病弱な子供が多く含まれるかもしれません。実際、アトピーやアレルギーといった属性では、非接種群の方が高い割合になっています。予防接種の禁忌者も、接種群には絶対に含まれませんが、非接種群には含まれている可能性が高い。

また、子供にインフルエンザ予防接種を受けさせる方は、病気の罹患に対して非常に敏感で、手洗いを徹底する、人混みに出かけない、すぐに解熱剤を使用する(この調査では熱の高さで有効性を判断)といった傾向があるかもしれません。

二つめ。平均年齢を見ると、接種群の方が非接種群よりも0.5歳ほど高くなっています。これは、非接種群の方が0歳、1歳のサンプルが多いことが原因です。3年間のサンプル数を合計して、2歳未満のシェアを比べると、接種群では2割にすぎないのに対し、非接種群では4割に達しています。また、平均体重を見ても、接種群の方が非接種群よりも1キロほど重い。

一般的に、年齢が低いほど、様々な病気で高熱を出す機会が多くなると思われます。また、年齢が高くなれば、インフルエンザに自然感染している子供も多くなり、感染を免れることができるようになります。

一応、多変量解析では年齢要因が加味されていますが、線形関係を仮定した1歳ごとのカテゴリー変数なので、年齢要因が正しく反映されているかどうか疑問です。また、三つ目で指摘するように、そもそも、年齢別に分けたサンプルがかなりおかしいため、どの程度まで信用していいのか分からなくなっています。結局、グラフを描けば一目瞭然なのですが、接種群と非接種群での発熱率の違いは、0歳と1歳の部分に集中的に現れているのです。

38℃以上有熱者が各サンプル全体に占めるシェア

この報告書では、次のように述べている部分があります。『本研究におけるインフルエンザ様疾患には、非インフルエンザが含まれており、ここで得られた結果は、ワクチンの発病防止効果を過小評価していると考えられる』――しかし、実態は逆でしょう。非接種群は、突発性発疹や風邪などで高熱になりやすい0〜1歳の割合が高いため、インフルエンザ発病率が実態以上に高めにカウントされている可能性が高いのです。したがって、ワクチン有効率は「過大に」推計されていると考えるのが自然です。

三つ目。各年齢ごとの有効率が計算されているのですが、年度ごとの結果が大きく違っており、また年齢が上がるにしたがって比例的に変化するといった傾向もみられず、解釈が非常に難しくなっています。2001年度の報告書では、2歳、3歳、5歳の有効率が30%前後ありますが、4歳に限ってはゼロ。2002年度調査では、2歳の有効率が最も高く、3歳、4歳、5歳と上がっていくにしたがい、有効率は低下していきます。

四つ目。地域別にみると、なぜ大阪だけ、どの年も有効率が低いのか。それ以外にも、地域別に見たサンプルもおかしい気がします。一調査地点あたりのサンプル数の違いや、人口構成を反映していないサンプル構成(東京と岩手のサンプル数が同じとか)などが影響しているのかな?

五つ目。アンケートを郵送で回収するという方式に問題はないか。接種群では、保育園などの通園率が高いため、両親が共働きとなっている割合が高いと思われます。そうしたなかで、正しく子供を観察することができるか(保育園からの伝達など)。また、普段でも仕事・家事・育児に追われて時間がないのに、実際に病気になったとき、アンケートに答える余裕はあるのか。気付いたときに数週間分をまとめて提出する、といった事態は生じていないか。

アンケートに示された別の結論

実は、サンプルの偏りの問題を全て吹き飛ばすような、もっと大きな問題があるのです。サンプルの偏りの部分で書いたように、接種群・非接種群との間で、前シーズンでの接種率に明らかな違いがみられました。一方、この調査では、「前シーズンの罹患率」という属性もあります。つまり、前の年にインフルエンザに罹ったかどうかです。これを、「前シーズンの接種率」「過去3年以内の接種率」と並べてみたのが以下のグラフ。

前シーズンのワクチン接種率と罹患率

なんと罹患率は、予防接種を受けても受けなくても全く同じなのです。つまり、この調査では、「昨年度の実績からみると、予防接種は全く効果を発揮していない」ことを、非常にきれいな形で証明しているのです。それなのに、これに関する言及はどこを探してもありません。

この調査は、予防接種の効果を否定するデータを棚に上げたうえで、それ以外のデータに対して、様々な統計的手法を駆使することによって、予防接種は有効という結論が導き出されているのです。それでも、最大でも30%の有効率にすぎないのですが。

過小評価された予防接種の副作用

私自身は、インフルエンザ予防接種の副作用を特別視する必要はないと思っています。でも、とっても気になる記述があったので、書いておきます。

例えば2000年度調査を見ると、『本副反応調査における発熱者の割合は、一般乳幼児に比べて特に高いものではない』と結論されています。この根拠として、(1)接種後48時間以内に38.0℃以上発熱した割合が2.8%にすぎない一方、(2)国民生活基礎調査での0〜4歳児で「熱がある」者の割合が4.68%となっていることが挙げられています。

この比較について、いくつか問題点を列挙しておきます。

1. 0〜5歳の有熱率と比べなければいけないのに、5歳分が漏れている。国民生活基礎調査の5〜14歳の「熱がある」者の比率は1.52%であるため、単純計算で修正しても4.15%と0.5%低下する。

2. 国民生活基礎調査は「平時」であるのに対し、予防接種後は「平時」ではないため、そもそも比較に無理がある。下のグラフで、青い部分がそれぞれの調査において発熱者としてカウントされる部分。風邪をひくと3日だけ発熱があると仮定して作成してあります。予防接種群では、接種時に発熱している人は予防接種を受けられず、調査対象から除外されることになるため、国民生活基礎調査よりも範囲が狭いことが分かります。つまり、接種群は「平時」ではなく「健康時」に限られているのです。また、国民生活基礎調査では「ここ数日」という問われ方なので、対象が48時間よりも長くなっている可能性が高い。さらに、「風邪をひくと3日だけ発熱がある」という仮定を5日くらいに伸ばすと、この差は一段と拡大することになります(こちらの方が現実的)。

日数モデル

3. 副反応を 37.5℃以上あるいは38.0℃以上の発熱者と考えているが、37.0℃以上にまで対象を広げれば、6.7〜8.0%と急増する。普通の親であれば、37.0℃を超えれば「熱がある」と考えるもの。したがって、国民生活基礎調査の「熱がある」と比べたいのであれば、37.0℃以上の発熱率を使用すべき。

なお、この副反応調査は『10月から2月のカゼ・シーズンに行っている』と、風邪による発熱者によって数字がカサ上げされているように書かれています。しかし、インフルエンザの予防接種は12月中旬には終了するので、本格的なカゼ・シーズンには重ならないはず。この文章は副作用が過大報告されていることを印象づける効果を狙ったものと思われます。

以上を総合すれば、インフルエンザ予防接種によって副反応(発熱)が起きていることは明白で、この調査では、それを意図的に隠そうとしている可能性が高い。

それ以上に、この調査のなかで、『接種歴がある者では、ない者に比べて、副反応が起こりやすい』という分析結果がきちんと得られているわけですから、副反応を過小評価するのは非常にマズイと思います。予防接種を打てば打つほど副作用が起きやすくなるんですから。この報告作成に携わった方たち、本当に子供たちのことを考えていますか?


 
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