ちょっとだけ、小児科医から補足です。> クループ(仮性クループ、または急性喉頭炎)は、救急外来でも頻繁にある、という病気ではなく、小児で同じ症状ならまず気管支喘息を疑われやすいです。クループ症候群には、喉頭炎と喉頭蓋炎があります。いずれにしても、小児科の外来では今の時期、毎日のようにであう病気で、喘息と間違うことはあまりないでしょう。聴診器で喘鳴があれば喘息、犬吠様の咳があればクループでしょう。録音して聞かせてもらうと診断が容易になります。>急性喉頭炎なら、まず喉頭鏡で喉をのぞき、喉頭蓋炎では、喉頭鏡で喉をのぞいた瞬間に窒息します。つまりそんな行為をしたら、きわめて危険ですので、やってはいけない行為の代表です。急激な経過ではなかったとすれば、喉頭蓋炎ではなく、喉頭炎かな、という印象です。喉頭炎ではのどをみることはできます。いずれにしても、喉頭鏡を使うなら、耳鼻科医、外科医、麻酔科医などの準備をして、万が一に備えないとこわいです。ということで、逆のお話になってしまいましたが、経過をみると、挿管を考慮すべきであったとの論点では争うことは可能かもしれません。喉頭蓋炎は、突然の窒息がありますが、今回は時間があったようですので、順当に考えれば、挿管を試みる、できれば麻酔科、耳鼻科立ち会いでの処置が望ましかった、ということでしょうか。