こんにちは。12月7日(月)の朝刊に、新型インフルエンザの死亡者数が100人(疑い例も含む)に達したというニュースが掲載されました。年齢別の死亡者数も掲載されています。そこで、その数値を、私たちの生活実感で評価できるよう、過去の統計と比較してみました。結果が、一番下のグラフです。国立感染症研究所の推計によれば、新型インフルエンザの累計患者数は1264万人。国民10人に1人の割合です。したがって、死亡者数はこれからも増えると予想されます。これを勘案すれば、小学生や働き盛り世代に関しては、通常のインフルエンザよりも死亡率が高くなる可能性があります。ただし、(少なくとも私の印象では)子供たちの間では、すでに相当流行が広がっているような気がします。もしそうなら、今後の死亡者数の増加はそれほど多くありません。死亡リスクは、通常のインフルエンザとあまり変わらないという結論になります。皆さんの周りの流行状況などを参考にすれば、新型インフルエンザの死亡リスクをある程度判断できるのではないでしょうか。いずれにしても、通常のインフルエンザよりも死亡リスクが10倍以上高いなんてことはなさそうです。ちなみに、5〜9歳の総人口は約570万人で、通常のインフルエンザの死亡者数は年 11 人ですから、死亡率(人口比)は 0.0002 %になります。
子供には全く関係のない話ですが、新型インフルエンザの死亡統計で一番注目されるのは、高齢者の死亡者の少なさです。通常のインフルエンザの場合、死亡者は圧倒的に高齢者に集中しています。ところが、新型インフルエンザの場合は、高齢者の死亡が極端に少ないのです。高齢者に比べれば、若年層の死亡者数の違いなんて「誤差」にしかみえません。これが何を意味しているのかが分かりません。「高齢者は免疫を持っているから」というのは理由にはなりそうにありません。なぜなら、それは通常のインフルエンザでも同じだからです。もし「高齢者は免疫を持っているから」というのが理由なら、新型インフルエンザは通常のインフルエンザよりも死亡リスクが圧倒的に低いことを意味します。