はじめまして。元気ママと申します。長女が、3ヶ月を過ぎたので、BCGを受けようと考えています。ツ反が廃止と聞いておりますが、正直大丈夫なのか、と心配しております。外にも連れて歩いていますし、もし、陽性で接種してしまったら、どのような症状が出るだろうかとか、ツ反廃止後、事故は起きてないのだろうかとか、色々知りたい事がいっぱいです。結核症状は感染後、すぐ出るのでしょうか?市の保健師に相談したところ、心配ならば、病院でツ反接種後、集団でBCGを受けたら良いのではないかとの回答でした。情報がありましたらよろしくお願いします!
>ツ反が廃止と聞いておりますが、正直大丈夫なのか、と心配し>ております。 ツ反が廃止になったのは、偽陽性(本当は結核菌に感染していないのに発赤などが現れる)の為、BCG接種を受けられない児が、結核菌に感染するおそれがあるからです。 ツ反で、既に結核に感染している乳児(生後6カ月以下)は、2人/10万人の確率と推測されています。しかし、ツ反を受けた乳児(0歳児)の約1.3%は、陽性を示すと言われ、本当は、結核菌に感染していないのに、ツ反が偽陽性を示す乳児が多いことが知られています。
>もし、陽性で接種してしまったら、どのような症状が出るだろ>うかとか もし、陽性(既に結核菌に感染している)なのに、BCGを接種した場合には、 “コッホ現象”が現れます。 通常、BCG接種10日後頃から、接種部位に針痕に一致して、小発赤が現れます。 コッホ現象では、BCG接種後に、早期(接種3日〜1週間後)から、接種部位に、発赤・腫脹などが現れます。 コッホ現象が現れた児は、BCG接種の日から数えて2週間以内にツ反を行います。この期間は、BCG接種の効果によってツ反が陽性にならないので、ツ反が陽性であれば、既に結核菌に感染していたおそれがあり(自然陽転)、精査が必要です。 ただ、乳児の初回BCG接種で現れるコッホ現象は、殆どが、結核菌感染でなく、非定型抗酸菌感染が原因と推測されています。
>心配ならば、病院でツ反接種後、 ツ反は、結核菌に既に感染しているか調べるのに有用ですが、上記のように、乳児では偽陽性が多く見られます。 また、ツ反は、反復して検査すると、ブースター刺激となり、反応が強く現れることがあります。 乳児期のツ反は、集団検診として、結核感染者を発見するスクリーニングの目的もあり行われて来ましたが、現在は、ツ反を行う弊害(偽陽性でBCG接種を受けずに結核菌に感染するリスク)の方が、有用性を上回ったと判断され、BCG直接接種になっています。
ホバブさん、ありがとうございました。参考にさせていただきます。コッホ現象が起きた場合、良い治療方法があるのでしょうか?また、ツ反をせずBCGを受け、事故が起こったという報告はないのでしょうか?よろしくお願いいたします。
>コッホ現象が起きた場合、良い治療方法があるのでしょうか? コッホ現象は、BCG接種に伴なう通常の発赤等と同様に、放置しても、自然に軽快しますが、結核菌の自然感染がないのか、コッホ現象が何故起きたのか、原因を調べる必要があります。 コッホ現象が現れた場合には、「コッホ現象事例報告書」を保健所に報告することになっています。「コッホ現象事例報告書」の作成に際しては、ツ反、胸部エックス線所見の検査が行われ、必要な場合に、抗結核剤の予防投与が行われます。 先に投稿しましたように、コッホ現象は、必ずしも、結核菌の自然感染を意味しないようです。
>ツ反をせずBCGを受け、事故が起こったという報告はないのでし>ょうか。 BCG直接接種は、平成17年から行われていますが、ツ反をせず、結核菌に自然感染していた児にBCG接種をし、問題になった事例を、私は、聞いていません。 乳児にBCG接種を行う目的の一つは、結核菌の血行感染による結核性髄膜炎や粟粒結核を予防することですが、これらの疾患を発病した場合には、症状が現れます。 BCG接種による副反応として重篤なのは、骨炎・骨髄炎や、全身性播種性BCG感染症ですが、近年では、毎年、1症例程ずつしか、報告されていません。http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/09/s0929-7.html 現行法では、BCG接種の期間は、生後0日以上6月未満ですが、新生児時期に接種すると、血行感染を起こし、骨髄炎などを起こすリスクが高くなると言われます。 また、6カ月前だと、先天性免疫不全症があっても、気付かれずに、BCG接種をしてしまうおそれがあります。 なお、日本では、BCG接種は、管針法による、所謂、「はんこう注射」で接種(経皮接種)が行われますが、海外では、新生児時期に、皮下注射で接種を行う国が多いようです。 日本のような管針法だと、成長して痕が残らないこともありますが、海外(南米)から移住して来た人には、肩の部位に、種痘痕のようなBCGを皮下接種した痕が残っている人がいます。 日本のBCG接種は、海外より安全性が高いと言われています。
ホバブさん、ありがとうございました。色々悩んでいましたが、すっきりしてきました。これからも、相談にのって頂けたら幸いです。
> また、6カ月前だと、先天性免疫不全症があっても、気付かれずに、BCG接種をしてしまうおそれがあります。上記は、生後3ヶ月前の誤りだと思われます。http://www.bcg.gr.jp/bcg/faq/index.html#1-5
> > また、6カ月前だと、先天性免疫不全症があっても、気付か> れずに、BCG接種をしてしまうおそれがあります。> 上記は、生後3ヶ月前の誤りだと思われます。> http://www.bcg.gr.jp/bcg/faq/index.html#1-5 確かに、↑の日本ビーシージー株式会社のHPには、「3か月もすれば先天的免疫不全に気付かずBCG接種をしてしまうようなことが少なくなると思われます」と記載されていますね。 先天性免疫不全症にはいろいろなタイプが存在しますが、「発症の平均年齢は5.3月」と言われています(「予防接種の手びき 第11版(木村三生夫他著)」の291頁に記載)。 先天性免疫不全症でも、重症複合免疫不全症(SCID:スキッド)などでは、生後早期から症状が現れることが多いですが、私が、大学病院勤務中に関わった、骨髄移植を施行したSCIDの症例は、肺炎の症状が現れたのは生後4カ月の時で、SCIDと診断されたのは、生後6カ月過ぎでした。 かつて出席した、厚生省の原発性免疫不全症候群の班会議の資料を見直してみましたが、分類不能型免疫不全症(common variable immunodeficiency:CVID)だと、初診時の年齢が16歳以上の症例が、23例(20.5%)存在します。 毛細血管拡張性運動失調症(Ataxia-telangiectasia)は、症状が明らかになるのは、1歳過ぎからでしょう。 Bruton型無γ-グロブリン血症(X-linked agammaglobulinemia::XLA)は、理論上は生後6カ月頃には、低ガンマグロブリン血症を呈しますが、平均診断年齢は6歳と言われます(XLAは、液性免疫不全なので、BCG接種で問題は生じないでしょう)。 上記のように、先天性免疫不全症は、新生児期には診断がつかず、生後3カ月以降に診断がつくことが多いです。 ですから、生後3カ月〜6カ月未満のBCG接種は、先天性免疫不全児に接種してしまうリスクが、危惧されています。 生後6カ月過ぎにBCG接種した方が、先天性免疫不全児に接種してしまうリスクは少なくなりますが、ツ反を廃止したことで、結核に自然感染してしまった児にBCG接種してしまうと言う別のリスクは、高まると考えられています。 なお、現行法では、生後6カ月未満にBCG接種を受けないと、原則としては、任意接種になってしまいます。
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